4月
4, 2022
ケラリア・ピグマエア Ceraria pygmaea 現地株の発根管理に関する覚書
過去、
ケラリア・ピグマエア(Ceraria pygmaea)の現地株、
2株をダメにしているmofmof7です(T_T)
現在も発根管理しているC.ピグマエアが2株あるのですが、
1株は 1ヶ月経っても動く気配がありません。
ちなみに同時期に購入したもう一株は、
初日から動きが見られ、
今ではモサモサ状態🌿。
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全体的に胴体が赤みを帯び、ずっしりと重量もありました。
しかし状態の善し悪しに一見差はないようでも、
実際の 生命力は雲泥の差があった のです。
本稿では発根の兆しのないケラリア・ピグマエアの状態チェックをしていきながら、
あらためて購入前の鮮度の判断基準や、
発根管理に入る前にどのような事前処置や環境作りをすれば
生きる可能性がアップするのか、
過去の経験や巷の情報も踏まえ覚書いたします。
目次
動きのない株を1ヶ月ぶりに掘り起こす
育成環境をおさらいすると、
過去の発根管理の経験から、
最大限に通気性を考慮する必要性を感じ、
通気孔だらけのプラ鉢に、
多肉用の培養土に加え、
軽石やゼオライトを6〜7割混入させた配合土で挑みました。

実際にほぼ同じ育成環境のもう一株は
著しい成長を遂げています。

ムズいなぁピグは・・・
まずは恐る恐る
上から土を掘っていく。

・・やべぇ・・
動きが速くて撮影まではできませんでしたが、
小さな白い虫 を複数発見しました。
これで決心できました。
引っこ抜きます↓
やはりまったく発根できていませんね。
腐食部分の除去作業
まずは腐っている箇所を
すべて除去していきます。
太根は完全に柔らかくなってだめ🙅ですね。
固さが残っている根元付近までカット。
これ生きるかなぁ・・・
ここもできる範囲腐りを除去。
続いて上面をチェック。
思いのほか朽ちた箇所が多いことに気付く。
ここは反省なのですが、
根元だけでなく上部や胴からの腐りや朽ちている箇所も
しっかり確認して除去すべきでした。
朽ちた箇所をそのままにしておくと、
蒸れて腐りやすくなるのみならず、
殺菌剤や発根剤もうまく浸透しません。
削っていくと
白く生きた皮下組織(内皮)が見えてきました。
一通り腐っている部分を除去したら
こうなりました↓
とりあえず虫も散見できたので、
全体をしっかり殺菌剤に浸水してからリスタートいたします。
殺菌剤はホーマイ(種子殺菌剤)を使用。
オルトランより臭ぇぞ
2時間くらい殺菌した後、
3〜7日ぐらい温室内で乾燥させます。
植え込み用土に関しては、
除菌済みの川砂や軽石オンリーなど、
無菌で乾燥重視の用土で再チャレンジする予定です。(後述)
起きなければ、察してください(苦笑)
ケラリア・ピグマエア現地株の発根管理に関する覚書
C.ピグマエアの発根の成功率をアップさせるための個人的な覚書となります。
拙い知識ですが、ご参考までにどうぞ。
①【購入前】鮮度の見極め
なにはともあれ、
鮮度の見極めが最重要命題となります。
抜き苗購入前のチェックリスト
a.胴体の色味
新鮮な株ほど表皮が赤みを帯びていることが多いです。
時間の経過とともに風化し黒ずんでくるようです。
今回の不調株は赤みこそ帯びてはいましたが、
胴の裂け目の幾分黒い箇所から深部まで腐食していました。
パッと見分かりづらい場所です。
入念にチェックしたい。

b.葉の残存率・枝枯れ具合
葉🌿の残存数が多いほど鮮度も良好です。
しかし葉肉の保水性を考慮すると、
枝部の枯れ具合に着目するほうが正直な状態判断を下せるかもしれません。

参考として、
現在好調の現地株(↑写真)を購入した当時の葉の残存数は0、
枝は一本だけ(写真参照)しか残ってませんでしたが、
その枝こそ青みがかって張りがあり、
生き生きしてました。
C.重量はあるか
水切れが顕著な株は見た目以上に軽くなっています。
逆に言えば、abの状態が悪くても
重みのある大株であれば発根する可能性を秘めていると言えます。
残念ながらオンラインで購入する場合は重みを体感できませんので、
販売者側の情報提供に委ねるほかありません。
②腐食部分や枯れ根の除去
黒ずんでいる箇所は腐食が始まっている可能性があります。
360度全体を隈なくチェックし、
表皮も軽く削って、腐食してないかチェックしましょう。
少し削って白い内皮が見えればストップです。
あ、指の腹で押さえて柔らかくなっている場所もチェック項目に加えます。

根先は干からびて繊維状に枯れている場合が多いです。
枯れ根を残したまま植え込むと、
水分を吸収して腐食し、
用土まで湿気を帯びて蒸れの原因になります。
生きた組織は維管束の外輪である内皮が瑞々しい白色で固さがあり、
さらに深部にまで至ると木部といわれる中央柱が赤褐色をしています。
・・しかし腐食はこの手前くらいで止まってないと生存厳しいか。。
鉢植え済みの未発根株への対応
既に鉢植え済みの未発根株でも安心はできません。
細部の処理までされておらずに植え込まれているケースはままあります。
もし植え込み後の経過日数が浅ければ、
自宅の育成環境に合わせて、
自分仕様の用土や鉢に刷新するほうが管理しやすいかもしれません。
業者任せにするのは個人の怠慢。
ちなみに当初駄目にした2株は鉢植えでした。
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③株全体を殺菌消毒
殺菌消毒は根元部分だけでなく、
株全体を消毒したほうがいいと思います。
(殺菌剤入りの希釈水に浸水させるなど)
目に見えない虫🐜が深部にまで
潜んでいるかもしれません。
既に鉢植えされてる株であれば、
せめてベニカのような殺虫スプレーで株全体を噴霧することをおすすめいたします。
④薬剤で発根促進

腐食除去、枯れ根除去、殺菌消毒、
以上すべてを実施した上で発根促進するからこそ、
より薬剤の効果が発揮されます。
たとえばオキシベロン水に浸水させた後に、
腐食除去した部分や枯れ根の切断面にルートンを湿布するなど。
(ルートン塗ったら一旦乾燥させて成分浸透を待ちましょう)
④通気性・排水性を考慮した無菌の配合土に植える

用土の配合、植木鉢、通風を最大限考慮し、
用土内まで乾燥しやすい(通気性に優れた)環境づくりが必須です。
たとえば焼成土や軽石といった無菌土をベースに、
発根や土の浄化を促す くんたん、ゼオライト、マグアンプKなどを少量混入させる。
[イワモト] 無菌ハイグレード 登録商標「三本線」 焼成・硬質 赤玉土 14L/約10kg 中粒(6,0mm-10,0mm)
最近自分がパキポディウムの発根作業を行う場合は、
除菌済みの川砂ベースに上記の調整土を混入させています。
早速、不調のピグに試験中。
ちなみに発根管理中は牛糞鶏糞などの有機肥料は混入させないほうがいいです。
虫🐛や菌が発生しやすく、傷口から雑菌が侵入する可能性も増大します。
傷に塩を塗る行為は極力避けたい。
用土に自信が持てない場合はお高いですが
ベストソイルミックスはおすすめです。
大半の塊根植物には適しています。
鉢の通気性もかなり重要です。
プラ鉢ならスリット入の鉢や通気孔が多い鉢、
陶器鉢なら底穴大きめの素焼き鉢がおすすめです。
素焼き鉢&川砂で発根管理
humanityさんのヤクモポット(素焼き鉢)は
個人的に発根管理マシーンと呼んでいます(^^)。
”呼吸する鉢”とも称されるほどに通気性🍃は抜群です。
さらに保温性も高いのが利点。
底穴も大きいのが嬉しいですね。
用土は除菌された砂(川砂)を使用します。
適度な保湿もあり、パキポディウムの発根管理にもおすすめ。
砂の凝固を防ぐために、軽石やバーミキュライト(保温、柔軟性)などを投入するなど工夫すれば尚いいですね。
- humanity
- https://hum-web.com
まとめ
↑処置した株を素焼き鉢&川砂に植え込みました。
僅かな可能性を信じてがんばります😅
分かっちゃぁいるんだけど、
発根管理好きの性(さが)なのか、
あえて危険な匂いがプンプンする株に惹かれるんですよね(汗)
「植の病は植で制す」
by mofmof7
(-。-)y-゜゜゜
あ、これ↓絶妙のサイズ感で使いやすい。
丁寧な土入れ作業をするなら手元に一本。
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