7月
14, 2020
【8日目/vol.4】オペルクリカリア・パキプス現地株の発根管理 |土耕編
8
8日目
オペルクリカリア・パキプス現地株【Vol.4】の発根管理を始めて8日目となります。
前回の投稿では
殺菌処理、枯れ枝剪定といった下処理を実施しました。
以降、室内温室を利用して、
本格的な発根管理を開始します。
2日目
昨年発根管理したパキプスは
水耕からチャレンジ(↓リンク)したのですが、
今回は直接 土耕 から始めることにします。
土作り
オリジナル培養土の配合率
土種 | 配合率 | 酸度 | 特徴 |
---|---|---|---|
鹿沼土(極小粒) | 3 | 酸性〜弱酸性 | 保水性、排水性、保肥性 |
ゼオライト | 2.5 | 中性 | ph調整、根腐れ防止、発根促進、ミネラル補給、保肥性 他 |
アク抜きベラボン | 2.5 | 中性 | 通気性、保温性、保水性、排水性、根腐れ防止 |
ピートモス | 1 | 酸性 | 通気性、保水性、保肥性 |
赤玉土(極小粒) | 1 | 弱酸性 | 通気性、保水性、排水性 |
くんたん | 少量 | アルカリ性 | 通気性、保温性、保水性、排水性 |
作った用土は”底穴なし”のガラス容器に入れ、
ヒタヒタになるくらいまで水分を含ませる。
もはや土耕というより、
「泥耕」(以下引用)ですね。
なぜ泥耕なのか?
先日インスタ(@mofmof7)のストーリー↑にもアップしたのですが、
パキプスの挿し枝が「泥耕+加温」でうまくいったことに起因します。
以下、
「水耕/泥耕/土耕」環境別の比較考察をしてみました。
「水耕/泥耕/土耕」環境のメリット・デメリット
水耕のメリット
▶発根状況がリアルタイムで確認しやすい
(透明容器利用時)
▶土いらずで手早く開始できる
水耕のデメリット
▶変化しやすい水質への対応
(水替え作業の手間、浄化剤の投入など)
▶変化しやすい水温への対応
▶将来の土耕への移行が植物にとってストレス大
泥耕のメリット
▶水替えの手間がない
▶土耕への移行がしやすく、植物へのストレス少
▶緩い土壌のため株を引き抜きやすく、根元の確認が容易
▶水耕よりも保温性がある
泥耕のデメリット
▶雑菌が繁殖しやすい
▶遅効性・緩効性肥料や粒状土の溶解が早い
(土壌酸度 ph や電気伝導度、肥料含有度 EC が変化しやすい)
土耕のメリット
▶(適した配合土であれば)植え替えの手間がないため、植物へのストレスもない
▶泥耕よりも保温性がある
▶本来あるべき土壌環境こそ最も成育にふさわしい条件
土耕のデメリット
▶土の配合が難しい
▶水やり加減が難しい
▶発根確認が厄介
試験的に酸度を強める
酸性のピートモスを混ぜて
土壌酸度を「ph5〜5.5」に調整してみました。
市販の培養土の大半がph6〜6.5くらいなので、
少し酸度が強めです。
理由としては、
育成二年目のばりばり元気なパキプスの土壌酸度が「ph5」。
(使用方法に則し、土壌酸度計を挿して約1分後に計測した数値。)
温室内で常時温め続けていることが元気の要因と言えばそれまでなんです^^;が、
土壌酸度と発根促進の関連性も深掘りしたいところ。
ちなみに泥の酸度計測する場合は土壌酸度計では不安定でしたので、
「水質ph計」を使用しました。
- 参考資料リンク「オペルクリカリア属の土壌PH 他」
- https://www.logees.com/media/care/pdf/Operculicarya.pdf
「カメラレンズヒーター」で加温する
詳細については前回の投稿でまとめています↓
COOWOO カメラレンズヒーター 結露対策 レンズ霜よけ 夜露防止 曇り 除去 対策 usb電源接続 デジタル一眼レ...
8日目
徐々に新芽が出てきました😊
一時はこのまま様子を見ることとします。
発根管理環境
室内温度 | 32〜38度 |
---|---|
湿度 | 50〜70% |
鉢内温度 | 35〜39度 |
水やり | 1日10回くらいの活性剤入り霧吹きのみ。(泥状のため) |
LED照射 | 遮光気味 |
気流 | 微風 |
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発根成功率を高める用土づくりのポイント
”ゼオライト”を混入せよ
浄化作用、根腐れ防止効果のあるゼオライト(珪酸塩白土)は
傾いた酸度を中和したり(ph6~6.5)、使い古した土を蘇らせるなど、あらゆる環境において万能性を発揮します。
ゼオライトも多くの業者から販売されていますが、
中でもおすすめは「ソフト・シリカの珪酸塩白土」。
素人目で見ても品質は雲泥の差。
”無菌土”を選択せよ
赤玉土、鹿沼土は高温加熱処理された硬質の無菌土(焼成土)をおすすめします。
土は思いのほか雑菌だらけです。
ここはケチらずに選択したい。
”アク抜きベラボン”はおすすめ
アク抜きベラボンはクラッシュしたヤシの皮をアク抜き加工したもの。
保湿性、保温性、通気性、排水性(膨張することで空気層を形成。根張り促進、根腐れ防止)など効用はさまざま。
ベラボンを2割くらい混ぜ込むと鉢内温度も2度くらい上昇する印象です(※温室環境において)。
まとめ
思ったよりは早く芽吹いた印象ですが、
果たして土壌酸度の影響力がどれだけあるのか、
効果判定は難しいと言わざるを得ません。
あとは過去の経験に則した肌感覚を頼りにします^^;
もっと成功体験を積んで説得力上げないとな〜
山本 克彦
7月 24, 2020 at 21:31
こんにちは
いつも勉強になり楽しく拝見させて
頂いてます。
今までのご経験からの推察でご教示頂きたくメールさせて頂きました。
未発根のパキプスを入手しメネデール100倍希釈液に浸し、ルートン展着乾燥から
用土植え付けで腰水管理をしていました。
3週間ほど室内温室LEDライトでの管理を
してましたら幹の表皮が剥け始めたので
未だに発根していない事に気付き鉢から抜き確認すると未発根、切り口の黒ずみと
共に幹の下部くびれの所に痛みからの
黒い侵食を確認。
根の黒ずみは全て削り取り、幹の部分は
えぐる様に落としてからトップジン。
ベンレート風呂6時間後、オキシベロン
18時間に浸けた後にベラボンに浸しながら
メネデール水耕に至っています。
入手の時点でベンレートに浸さなかった
事が全ての要因と気付きました。
昨日の今日の出来事で冷静にテンパリながらも、この株はかなり厳しい状態だと思いながら見守り中です。
ここで今後の為に質問なのですが、
ベラボン水耕に至ってからの
LED照射や日光管理は
どのタイミングがベストと思われますか?
私は水耕に至って室内半日陰の状態でも
可能なのかの判断がつかずなのです。
長文で申し訳ありませんが、
御経験からお教えくださいませ。
mofmof7
7月 24, 2020 at 22:55
コメントありがとうございます。
ちょっと心配ですね、、う〜ん😓
いてもたってもいられないお気持ちよくわかります。
何しろパキプスは高価な植物ですから。
腐敗処理含め、
管理はしっかりできていると思うんです。
しかしながらパキプスの発根をさせるには、
一にも二にも購入前の株の見極めで決まる、
と言っても過言ではありません。
最近の輸入株をネット上で拝見する限り、
コロナの影響があるのか新鮮さに欠ける印象です。
特にヤフ○クに出品されているベアルート株は1、2年前と比べて状態があまり良くありません。
管理後、
調子が上がらないパキプスの判別指標としては、
・芽吹きの兆候がない
・徐々に胴体が痩せ萎んでくる
・枝先からシワが出はじめる
特に危険状態は「胴体痩せ」です。
気づいたときには既に手遅れかもしれません。
現状できることは継続して保温しつつ、
株が弱っている様子ですので遮光気味で管理することでしょうか。
ちなみに生命力がみなぎっている未発根株であれば遮光しません。
重量のある株は概ね強いです。
ですのでLED照射の強弱、タイミングに関しては株次第と言えます。
もっと大事なことは加温して冷やさないこと。
これは第一命題です。
室内の半日陰で懸念するのが室温、温度ですね。
なるべくなら30度以上は欲しいところ。
少しでもご参考になれましたら幸いです。
応援してます!
三ちゃん
7月 28, 2020 at 23:37
こんばんは。突然のコメント失礼いたします。
いつも発根管理についての記事を興味深く読ませていただいております。
この度はぜひご相談したくご連絡させていただきました。
現在こちらの記事を参考に、未発根パキプスの発根管理を行なっております。
パワータンクのカット→ベンレート→オキシベロンの工程をすませ、記載の土を配合して多めの水を入れ泥耕をはじめ、毎日HB霧吹きを行いながら今日で1週間ほどになります。
今のところまだ芽吹きの兆候は見られないのですが、どのくらいのタイミングで一度土から引き抜いて根を確認したらいいのでしょうか…?
また、泥耕をするうえで少し土が乾いてきたような気がするのですが、水は足していらっしゃいますか?
あまりにも芽がでないようであれば再度根っこの部分をカットして殺菌、オキシベロンに浸けるべきかなあ…と悩んでいます。
質問ばかりになってしまい申し訳ございません。お忙しい中恐縮ですが、mofmofさんならどうするかで構いませんので、お知恵を貸していただけますと幸いです。
【管理状況】
室温/33度〜36度
湿度/55〜70%
鉢内温度/33度〜39度前後
風/微風
光/7時〜24時くらいまで植物ライトを照射
mofmof7
7月 29, 2020 at 08:11
コメントありがとうございます。
管理を始めて1週間ですから、
もう少し様子を見てもいいと思います。
徐々に株が萎んできたり、枝枯れが止まらないなら何らかの処置が必要ですが、
そうでなければ根元の確認は基本しません。
芽吹きが確認できればそのまま動かさずです。
隈なく目を凝らして芽吹きの徴候を確認してみてください。
あまりに乾いたら注水ですね。
その際も冷水ではなく温水がいいです。
私の場合は管理後3週間くらい経過しますが過去1回だけ注水。
あとは適当に霧吹きしてます。
鉢内温度はせめて35度以上にしてみてください。
33度は幾分心許ない気がします。
応援してます!
三ちゃん
7月 29, 2020 at 23:55
お早いお返事ありがとうございます!
もうしばらくじっと耐えながら様子を観察しようと思います。
鉢内温度についてももう少し上げるようにしてみます!ありがとうございます。
そしてすみません、追加で1点だけ…先程霧吹きをしていたら、土の中に白?シルバー?の色をした小さな虫が数匹いたのですが(土の中や株の表面をちょこまかと動き回る、カイガラムシではない虫)、土を取り替えるか薬剤を散布するかしたほうがいいでしょうか?( ;´Д`)
泥耕で乾かないのに土に薬剤をかけていいものかと悩んでしまいました…。
mofmof7
7月 30, 2020 at 06:30
実際に現在管理しているパキプスの土中にも小さな白い虫が時々います。
たくさんいるような気配ではないので殺虫剤はしておりませんが、
気になるようでしたら予防効果もあるオルトラン粒剤を撒くのもいいかもしれません。
速攻性があるような強い薬剤ではないので使用方法を間違えなければ安心して使えます。
◆参考リンク
http://www.greenjapan.co.jp/orutoran_r.htm
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=j3STg-ix2q4&feature=emb_logo
追伸、
ちなみに、はじめて発根管理したパキプスでは株中に”黒い虫”が潜んでいるようでしたので、
乳剤を使用して駆除しましたが、これはあくまでも最終手段で、弱っている株にすべきではありません。
【〜180日目】オペルクリカリア・パキプス現地株の発根管理
三ちゃん
7月 31, 2020 at 22:12
なるほど、ありがとうございます!
似たようなものがでることがあると聞けただけでも安心いたしました。引き続き株の様子を観察していこうと思います。
お返事ありがとうございました!
山本 克彦
3月 13, 2021 at 01:07
返信を頂いていた事に今更ながら
気付いてしまった事をお許しくださいm(__)m💦
その後、相談させて頂いたパキプスは胴元のえぐった傷口を瞬間接着剤で縫合し、数週間後にようやく発根、ひと月後に葉芽が出てきて今では元気にボサボサな姿になっています。
何より私にとってのファーストパキプスだったので嬉しさひとしおです。
現在、禁忌とも言えるヤフオク株に手を
出し見事にハズレ株、研究のためにも
無謀な苦労をしております。
これからもブログ更新、
楽しみにしております。
mofmof7
3月 13, 2021 at 08:03
それは良かったです!ご苦労が実りましたね!
あ〜自分もまた研究したくなってきました〜(苦笑)
ではまた(^o^)
まさお
11月 2, 2020 at 18:39
こんにちは。はじめまして
最近、オペルクリカリアを購入して、育成を始めました。
サイトを参考にさせて頂き、色々と始めてます。
そこで、1つ参考に教えて頂きたい事があります。
泥耕状態の水やりですが、
1日10回くらいの活性剤入り霧吹きのみ。(泥状のため)
と書かれてましたが、活性剤は何を使用してますか?
また、霧吹きは常に活性剤入りでしたでしょうか。
盆栽もやってるのですが、そんなに活性剤を使うと浸透圧の違いで枯れてしまうので、オペルクリカリアでは大丈夫か心配しております。
よろしくお願いいたします。
mofmof7
11月 2, 2020 at 18:57
活性剤はメネデールとかHb-101、植物剛健とか、いろいろですね。
希釈率は概ね説明書通りでやってました。濃いからず薄からず。
正直どれが最も効果的だったかは不明です。
薬剤も大事だとは思いますが、
パキプスの発根管理の場合、一にも二にも冷やさないことが肝要です。
ボスウェリアとかコミフォラなど灌木系の発根管理と比較しても高い温度(特に鉢内)が必要になります。
頑張ってください!
パキプス盆栽、ぜひ見てみたいですね(^o^)
まさお
11月 2, 2020 at 20:40
御返信、有難うございます。メネデールが手元にあるので継続してみます。
鉢内温度ですが、不安定で35℃〜40℃ぐらいでフラフラしてます。とりあえずは問題はないと思うのでこのままやってみます。
すみません、もう1つ、お聞きしたい事があります。
購入してから、霧吹きで水をあげてると、枝の表面がボロボロと剥がれてきます。
水の与えすぎ?枝が死んでる?など、なにか思い当たる事はありますか?
枝が多い物を購入したので、どれを切るべきか決めきれず、そのまま育成をしてる状態です。
よろしくお願いします。
mofmof7
11月 2, 2020 at 21:25
枝表面の剥がれに関しては詳細分かりませんが、
乾燥が進んでいたんでしょうね。
枝をしならせて柔軟性があるもの、
剪定して切り口がうっすらでも緑色である枝は生きてます。
枯れ枝は軽くてシワが入っているものが大半ですね。
徐々に樹形を保ちながら、
枯れ枝も残しながら、
新たな枝が生えてくるのを待つのも楽しいものですよ。
まさお
11月 3, 2020 at 06:16
ありがとうございます!
しかし、、、昨晩から状況が一気に悪化をしたようです。
突如、幹を含む全てがシワシワになってきており、緑色も弱くなってきました。
おそらく、庫内の湿度が極端に下がった為だと思われます。
湿度計をまだ購入してなかったため、ちゃんと管理出来ておらず、推定にはなりますが、おそらく原因だと思います。
今は加湿してますが、復活出来るかは微妙ですよね、、、ショックです
mofmof7
11月 3, 2020 at 09:49
あまりに芳しくないようでしたら
水耕に切り替えるのも一つの手です。
引き続き応援してます。
追伸、
パキプスのベアルート株の場合、
幹幅10cm以下の小さい株になると発根難易度は上がります。
なるべくならフレッシュで大きめの株を購入することをおすすめいたします。
まさお
11月 13, 2020 at 00:02
こんにちは。
その後の経過を報告します。
芽吹き等全く動きが無く、2週間近く経過したので、引き抜きました。
結果、主根が腐ってました。
腐ってない部分まで切り落として、水耕栽培に移行中です。
主根は無いので厳しいかもしれません。
mofmof7
11月 13, 2020 at 09:42
ん〜水耕に望みを託すしかないですね。
土耕と同様に温度を下げないよう注意が必要です。
それでもボディが痩せ細ってきたら厳しいでしょう。
粘り強く管理してみてください!
KUEN
2月 26, 2021 at 11:53
こんにちは、私は香港の読者です。 あなたの日記は私にたくさんの知識を教えてくれました。 心からの感謝を表したいと思います。
mofmof7
2月 26, 2021 at 17:46
ご丁寧にありがとうございますm(_ _)m
お役に立てて良かったです(^o^)