コミフォラ(コンミフォラ、commiphora)の種子は小石のように硬く、
比較的大きいのが特徴です。
コミフォラ属の中でも、
Commiphora kraeuseliana (コミフォラ・クラウセリアナ)の種子は
特にデカい。
直径は1.5〜2cmくらい。
成木はこんな感じ↓
はじめての播種は失敗
以前この子を播種した時は、
一つも発芽せず全滅させてしまいました(涙)
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種子を浸水させ活性化した後、
挿し芽用土で軽く覆土。
用土が乾ききらないうちに水やり。
う〜む、
一体何がいけなかったのだろうか。
P.グラキリスの播種をトレースするだけではダメということか。
前回の反省を踏まえ、
再度リベンジで発芽検証をやってみました。
今回用意した種子
・Commiphora kraeuseliana 100粒
種子はかなり大きめで硬い。
バオバブ並み。
播種前の処置
part1/ 種子殺菌
種子殺菌、
カビ対策を施す。
種子殺菌剤のホーマイ水和剤を使用↓
水200ccに対し分量1g。
12時間浸水させました。
part2/ 種子活性
種子殺菌後、
様々な活性剤で発芽率の比較検証を実施。
種子下処理パターン
②「メネデール」に12時間
③「フローラ HB-101」に12時間
④「オキシベロン溶剤」に12時間
⑤「ジベレリン液剤」に12時間
⑥「ラピッドスタート」に12時間
⑦「植物剛健」に12時間
⑧「ハイポネック【洋ラン】」に12時間
⑨「昆虫ゼリー」に12時間
今回の実験のために購入した、
試験管セット!
以下、
部分的に補足します。
①「お湯」に12時間
種子を熱々のお湯に浸す方法。
開始湯温80度 。
保温には使用していないマグボトルを用いた。
ちなみに、
コミフォラ種子をお湯に浸すという方法の出処は「Koehres-Kakteen」です。
⑦「植物剛健」に12時間
「植物剛健」は福井県立大学生物資源学部と、
農業資材製造の福井シード株式会社との共同開発品。
カニ殻から抽出されるキチン・キトサンのオリゴ糖を原料とした植物活力剤です。
キチン・キトサンのオリゴ糖自体には抗菌活性も肥料効果もありませんが、植物自身が持っている生理機能を活性化させることで、耐病性を高めるだけでなく、その生長も促進させます。
(引用元: https://www.fpu.ac.jp/news/001203.html)
⑧「昆虫ゼリー」/⑨「ハイポネックス【洋ラン】」に12時間
なぜに昆虫ゼリーなのか?というと、
昆虫ゼリーに含有する
”トレハロース”成分に着目しました。
トレハロースは植物の細胞を守り、
乾燥や寒さへの耐性を向上させる ようです。
ちなみに「⑨ハイポネック【洋ラン】」にもトレハロースが
含まれるため今回の実験方法に加えました。
part3/ 用土作り
培養土の配合率
- 焼成赤玉土(小粒) 6
- バーミキュライト 2
- 日向土(細粒) 1
- 鹿沼土 1
- ベラボン 少量
- ブロックシリコ 少量
- くんたん 少量
- 腐葉土 少量
播種用土にしては、
かなり粗目の配合 です。
前回播種した際は、
”保湿性の高い市販の挿し芽用土”を使用し全滅させました。
今回はその反省を活かし、
最大限に通気性を考慮しました。
種子自体はデカくて硬い外殻ではありますが、
水分浸透率は高いようです。
part4/ 播種
100粒あるのでそれなりに
大きな容器を用意しました。
発泡ポリエチレン「epボックス」↓
コレ鮮魚店とかでよく見かけますよね。
保冷・保温性が高いのが特徴。
オリジナル用土を敷き詰める↓
早速播種しようと種子を取り出そうとしたところ、
お湯50度組み、蒸れたかも(汗)
2〜3粒はスルッと殻が外れて
中身は柔らかくなってます。
やっちまったか、、
バオバブのような硬い種子では温水活性は有効策ですが、
コイツの場合はやめたほうがいいです。
思いのほか蒸れやすい。(ごく短時間ならいいかも)
他の浸水種子に関しては大丈夫そうです。
所感ですが、浸水は長くても24時間くらいに留めておいた方がよさそうです。
気を取り直し、、、
1cmくらい覆土してシャワー。
播種完了。
発芽具合を比較したいので
ボックス側面に各活性剤を記名した付箋を貼る↓
用土の保温方法ですが、
温室内に足元ヒーターを2つ並べて、
その上にepボックスを据え置きました。
ボックス内の温度 | 28〜33度 |
---|---|
温室内の湿度 | 55〜65% |
水やり | 表土が乾いてから |
照明 | 日中は15cm上からLEDライトを照射。(好光性種子と予想) |
あとは発芽を待つのみ。
マジで頼んます。
〜5日目
白カビ発生!(゚A゚;)
しかしここは想定内。
すかさずベンレート水和剤で消毒する。
カビを抑制するため、
上部からファンの風を当てる。
AC Infinity MULTIFAN S4 静音 140mm USB 冷却ファン 受信機 DVR プレイステーション Xbox パソコン キャビ...
おっと〜、
一つ埋め忘れた種子を発見。
埋めとこう。
発芽きたぁーーっ!
前回の失敗があったので
喜びはひとしお(੭ु ๑ ›◡ु‹ ๑ )੭ु⁾
他にも発芽種子を発見(≧∇≦)
(ちなみに2粒はメネデール、ハイポでした)
(∩´∀`)∩
〜7日目
続々と発芽中!
いやっほいー!(^○^)
今のところ、
発芽状況に顕著な差はありません。
お湯組みはダメかも、、
播種環境おさらい
現状、
育成環境は悪くなさそうです。
コミフォラ・クラウセリアナ種子の播種/心得と覚書
- 長時間の種子浸水は避ける。せいぜい24時間くらいか。
- お湯、温水で活性を促すのはおすすめしない。蒸れやすい。
- 用土温度は30度前後(以上)が目安。
- 播種用土は粗目の小粒ベースがおすすめ。通気性を高く、保湿過ぎない程度の水やりを。
- おそらく好光性種子なので遮光しなくても良さそう。
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20200107追記、【結果】発芽率と成長スピード ざっくり比較
薬剤名 | 発芽率 | 補足 |
---|---|---|
メネデール | 10/10 | ◎最も発芽スピードが早かった |
植物剛健 | 10/10 | ○メネデールと比較すると幾分遅い |
フローラ HB-101 | 9/10 | ○ |
ジベレリン | 9/10 | ○ |
ラピッドスタート | 9/10 | ○ |
ハイポネックス【洋ラン】 | 9/10 | ○ |
CLONEX | 9/10 | △発芽までに時間が掛かる |
オキシベロン | 9/10 | △発芽までに時間が掛かる |
昆虫ゼリー | 6/10 | ☓カビが生えやすい。論外 |
お湯(50度) | 0/10 | ☓蒸れ過ぎてダメ |
総論
clonexは挿し木の方が真価を発揮しそう。
オキシベロンは幾分濃い方が効果を発揮するかも。
昆虫ゼリー🐜 二度使いませんww
お湯は、ダメ絶対🙅♂️(※極短時間に控える)
まとめ
コミフォラ属の種子の中でも
クラウセリアナは特異かもしれません。
過湿に注意しながら環境整備できれば、
割と発芽は難しくない??
(鮮度次第)
(続く)