昨年お迎えした、
パキポディウム・グラキリスの調子が悪い。
↑ご覧の通り、
胴体は萎んでシワシワ になっています。
凹んでいる箇所は少し柔らかい。
しかし根腐れはしておらず
新根は生えてきているので
まだまだ復活の見込みはありそうです。
購入〜育成までを振り返る
このグラは昨年(2018年)秋に、
yubisakinojyunin様(福岡県)にて購入いたしました。
- 【ブログ】Yubisakino Jyunin の幸せ探し
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当時オーナーさん曰く、
輸入後まもない株でせいぜい チョロ根くらい であると。
太鼓判を押せるほどの元気株ではないせいか、
オーナーさんが両手指で胴体の固さを一通り入念にチェックされていました。
これから寒くなることを考慮すれば購入を躊躇するところなんですが、
自宅に室内温室を設営予定でしたのでまぁ何とかなるかなぁと( ^ _ ^ ;
そんなこんなで
お持ち帰り⇣
予定通り温室内にて育成。
冬場でも常時30度以上は維持。
育成3ヶ月目から順調に新葉が増え、
4ヶ月目には花を咲かせる ほど元気に!(^o^)
ただ、一つ気になったことが
〝花の形が歪つ″ であること。
まだ本調子ではないのか・・・
今思えばこれが 最初の兆候 であったのかもしれません。
屋外管理へ変更。(※悪天候の場合は屋内へ退避)
外気温は18度〜25度くらい。
その前後から徐々に胴体が萎み始め、
葉先枯れや歪形の葉も多くみられようになりました。
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健康チェック
まずは現在のグラキリスの健康状態をチェックしていきます。
発根状況
発根確認済み。
いまだに少しずつですが新根も増えているようです。
葉、花の状態
萎む前から(温室管理中から)前兆として、
葉先枯れや幼葉枯れが現れていました。
歪形の花もそうですが、
葉にもその傾向が見られました。
胴体の柔らかさ
凹んでシワシワになっている箇所は少し柔らかいです。
極端にブヨブヨしているところはありません。
腐敗臭の有無
本来、健康体であれば無臭なはず。
実際に鼻を近づけると、、、
なんとなく生臭い箇所があるような、ないような。
”生渇き”用土の匂い?かもしれません。
植え替え、鉢替え
少しの遅れが命取りになる。
過去経験してきた教訓です。
これ以上の犠牲者は増やしてなるものか。
透明カップを鉢替りに
発根状況をリアルタイムで確認したかったので
透明の”お惣菜”カップを代替鉢にして植え込んでみました。
側面から鉢底までたくさんの穴を開け、
通気性を高める処置を施す。
このまま屋外で雨晒しに。
外気温 21度〜31度
1ヶ月後
少しずつ新根は出てきている模様。
でも相変わらず凹みっぱなし。
葉を全部むしる
これはもっと早くやっておくべきでした。
葉を全部むしって余計な体力を消耗させないための処置。
平鉢へ植え替え
そろそろ本格的に活動させようかと、
黒の平鉢へ植え直すことにしました。
平鉢を選択した理由は、
浅底で表土面積が広く 蒸れずらい 点にあります。
表土面積が狭い縦長鉢にすると、
潅水加減が難しく、
いつも根腐れしてるんじゃないかと気を揉む事態に(;´Д`)
用土の配合はこんな感じ⇣
・”三本線”焼成赤玉土(小粒)6
・硬質鹿沼土(小粒)3
・完熟腐葉土 1
・くんたん 少量
・ミリオンA 少量
通称〝三本線″焼成赤玉土(プランテーションイワモト)は自分の中で鉄板です。
特にパキポディウムには好相性だと思います。
同イワモト社製の盆栽土も使用しましたが、
やはり三本線赤玉土の排水性には劣ります。
パキポ・グラキリスの自生地は石灰質の岩石地らしいので、
くんたんや苦土石灰などを混ぜ込んで 酸度調整 する(phを下げる)よう心がけています。(※酸度に関しては憶測です)
■参考写真:パキポディウム・グラキリス自生地「イサロ国立公園」
最後に化粧砂(富士砂)を乗っけて完成⇣
パキポディウム・グラキリスの発根管理 要点まとめ
以下発根管理に関する
個人的な育成経験と見聞きしたことを覚書しています。
ご参考まで。
⓪事前処置
枯れた根はカットし、
雑菌が入らないように薬剤(発根剤)をペースト。
ルートンやダコニール、カルスメイトやトップジンなどが定番。
(必ず乾かしてから植えよう)。
①鉢
元気がない株ならプラスチック鉢が無難。
保温性も高い。
鉢底穴もしっかり空ける。
スリット鉢なら通気性も良い。
株に対してあまり鉢は大きすぎないほうがいいらしい(サボオク様談)
②用土
小粒用土が最適。(※環境次第ではその限りではありません)
用土内に隙間ができて乾きやすい。
個人的には”三本線”焼成”赤玉土(小粒)がおすすめ。
速乾性が高い上、保湿力もある。
極小粒以下にすると保湿力が上がりすぎるキライがある。
いずれにしろ、通気性・排水性を最大限考慮する配合土に。
③置き場所
風通しの良い場所、これ絶対。
風が当たらないと用土の乾かず根腐れしやすい。
逆に言えば、風通しが良ければ雨ざらしにしても多少は問題ない。
かえって強い株に育ちやすい(長雨時は避難)。
ちなみにマンションベランダで一番風通しの良い場所は、
クーラーの室外機上でした(上写真)。
日当たりも重要ですが、
直射日光が過ぎると葉焼けを起こし調子を崩すことも。
気温は日中25度以上あったほうが安心。
参考:イサロ国立公園(マダガスカル南西部)の年間気温/降水量
④水やり
株の状態や天気、配合土によっても左右されますが、
基本的には表土が乾いてからが一つの目安。厳し目でいい。
縦長鉢の場合、思いのほか内部に水分が保持されているので注意が必要。
サスティーなどで確認するのもよい。
⑤活性剤
根が生えてない時は肥料系ではなく活性剤(活力剤)を使用。
定番のメネデールやHB-101を交互に使用している。
発根後から徐々に肥料も与える感じ。
■雑誌ブルータス「BIZARRE PLANTS HANDBOOK 4」に珍奇植物の育成方法が記載されています⇣
まとめ
凹み始めてから約二ヶ月。
この夏でムッチムチボディに仕上げたいところ。
本稿も随時更新予定です。
朗報をお伝えできるよう頑張ります!
20191031追記、完全復活!ムッチリボディに元通り!
約三ヶ月で、
はち切れんばかりにぷっくりと
仕上がりました(∩´∀`)∩ワーイ
暖かい季節が幸いしたようです。
夏場は雨の当たらない
風通しの良い場所(屋外ベランダ)に鎮座させました。
風通し>日当たり。
水やりは完全に乾いてから決行。
潅水はほとんどせず、遠慮気味にチビチビと。
すべては根腐れ対策です。
少しずつ膨らむ様子
シャロー鉢(平鉢)に植え替えたことも功を奏したようです。
少ない用土で表土面積も広く、
水蒸れ抑止には最適です。
粉末状のハイポネックスも好感触です。
肥料含有率ではカリが強め。
最低気温が15度を下回りだしたところで、
室内温室へ移動。
さらに膨らみが増して現在に至ります。
振り返れば、
元気をなくした一つの要因は「開花」にあるようです。
チョロ根の段階で開花させてしまったが故に、
精根尽き果てたように思います。
未発根株の花芽は、
迷わず剪定するほうが安心かもしれません。
”花見”はしっかりと活着した後のお楽しみで。
参考)別株”チョロ根”グラキリスの開花後、発芽がストップした
開花後、
二ヶ月の間 発芽がストップ。
柔らかくなる様子はないが一時の勢いはない。