7月
7, 2020
「カメラレンズヒーター」を植木鉢に巻きつけて加温したら発根促進グッズとして生まれ変わった件
夏型の塊根植物(コーデックス)の発根管理には欠かせない、
「加温」。
中でも塊根植物の王様と言われる、
“オペルクリカリア・パキプス” の発根管理においては、
しっかり温めることが成功の秘訣でもあります。
私自身、
過去のパキプスの発根管理を振り返れば、
さまざまな加温グッズを試験してきました。
「小型温室用のパネルヒーター」や「爬虫類用のヒーターマット」といった
”王道”グッズはもとより、冬場のデスクワークとして使われる「足元ヒーター」や「電熱ひざ掛け」、腰回りを保温する「ロング湯たんぽ」などなど、
図らずも園芸とはまったく不釣り合いなグッズばかり。。。
書きながら笑っちゃいました(*´∀`)
そして今回ご紹介するのは、またもや
王道から外れた不釣り合い(苦笑)なグッズ
です。
コレ↓
『カメラレンズヒーター』
本来の用途は、
寒い季節に屋外撮影で発生しやすいカメラレンズの曇り止め対策。
冷えたレンズに細長い温熱マットを巻きつけて結露や曇りを防止す グッズとのこと。
他にもドリンクや食べ物を温めたりなど活用途は様々のようです。
ならば、と
そんな出来心で今回こちらの2種をポチってみました↓
COOWOO カメラレンズヒーター 結露対策 レンズ霜よけ 夜露防止 曇り 除去 対策 usb電源接続 デジタル一眼レ...
複数のメーカーから販売されている中で
最も評判が良かった(*´∀`)
開封の儀
マジックテープ付き の細長い電熱マット。
物品に巻き付けて USB経由 で加温するというシンプルな仕組み。
【二代目】カメラレンズヒーターの仕様
本体サイズ | 長さ37cm × 幅8.5cm × 厚さ1cm |
---|---|
USBケーブルの長さ | 150cm |
最高温度 | 50度 |
対応レンズサイズ | 59mm〜100mm |
【三代目/改良バージョン】カメラレンズヒーターの仕様
本体サイズ | 長さ45cm × 幅4.5cm × 厚さ1cm |
---|---|
USBケーブルの長さ | 150cm |
最高温度 | 50度 |
対応レンズサイズ | 〜140mm |
オプション | 3段階の温度調整 |
上昇温度を計測する
実際にどれくらいまで温度が上昇するのか。
加温開始前と、任意の時間経過後の温度推移を計測してみました。
(巻き付けた箇所の鉢内中央付近の温度を計測)
①プラ鉢の外周りに巻き付ける
ヒーター | 「二代目」レンズヒーター |
---|---|
置き場所 | リビング |
鉢 | 薄手の5号プラ鉢(セラアート鉢) |
用土 | 赤玉、鹿沼主体の培養土 |
Before
27.6度
After(4時間後)
40度(+12.4)
②二重に重ねた鉢の”内側の鉢”に巻き付ける
ヒーター | 「三代目」レンズヒーター(設定温度:「弱」) |
---|---|
置き場所 | 室内温室(温度32〜37度) |
鉢 | 外鉢:厚手プラ鉢(シンセティックポット)内鉢:ガラス鉢 |
用土 | 保温性のあるベラボンを混入させた培養土(水分多め) |
Before
34.8度
After(4時間後)
42.3度(+7.5) ※設定温度「弱」
さすがに熱すぎる気がするので、その後は以下③の方法で36〜39度の範囲で調整し直しました。
③二重に重ねた鉢の”外側の鉢”に巻き付ける
外鉢に巻きつけること以外の条件は②と同様
併せて三代目ヒーターの設定温度を「弱→中→強」で切り替え検証。
【弱設定】Before → After(1時間後)
【中設定】Before → After(1時間後)
【強設定】Before → After(1時間後)
土の配合、鉢素材、鉢厚によっても温度落差はあると思います。
カメラレンズヒーターのメリット&デメリット
【メリット】ここが便利!
巻き付けるだけでセット完了する簡便さ
マジックテープで鉢に巻きつけて、USB経由で加温するだけ。見た目にもスッキリ。
最高50度に達する熱量
小さいながらもしっかりと発熱しますので、熱伝導の悪い陶器鉢でも十分に加温できます。逆に言えば、過度な温度上昇には要注意です。デメリットにもなり得ます。
お財布に優しい価格😂
安いは正義(ホントかw)。
耐久性は不明。
【デメリット】ここが残念!(;_;)
1鉢分しか温めることができない
同時に複数体の発根管理をしている場合、鉢の数だけレンズヒーターを別途用意する必要があります。
マットの横幅(奥行)が狭い
元々カメラレンズ用ですので、二代目の幅が8.5cm、三代目の幅は4.5cmしかありません。鉢内全体を満遍なく温めるには物足りません。ピンポイントに加温するには良し。欲を言えば、もう少し”長さ”があれば大きめの鉢にも活用できるのだが、、
ずり落ちやすい
形状や素材によってはマジックテープで巻きつけても下にずり落ちやすい。特に″すり鉢型”の鉢に巻きつける場合は、一旦鉢底付近でしっかりと固定してから、徐々に上方へずらしていくと定着しやすい。
こんな人にオススメ!
☑ 一つの鉢だけを温めたい
☑ 寒い季節の低温障害を回避するため、植木鉢を保温したい
☑ 温室を作るような大掛かりな設備はいらないけど、安くて使いやすい加温グッズが欲しい
☑ 厚手の陶器鉢を効果的に温めたい
採点
85点
プラ鉢に巻くと熱伝導が良すぎて温度が上がり過ぎるきらいがあります。
かえって熱伝導に劣る厚手の陶器鉢でこそ本領を発揮しそうな予感。
その点、三代目レンズヒーターのほうが3段階で温度制御ができるので安心です。
JSOUL万歳♬
でも三代目の方は幅が狭いのが難点(カバー範囲が狭い)。
裏技としては幅広の二代目も併せて購入し、
温度調整スイッチを二代目側に付け替えてやる方法。
調整スイッチは別ケーブルとして付属なので可能👍
まぁ早い話、
夏場よりも冬場の管理で活躍する代物ですね。
まとめ
早速、現在進行系で発根管理中のパキプスにも活用してます。
(鉢内温度37〜39度で調整中)
鉢内の温めも重要なのですが、
株自体が冷えないようにすることも重要です、あしからず。
COOWOO カメラレンズヒーター 結露対策 レンズ霜よけ 夜露防止 曇り 除去 対策 usb電源接続 デジタル一眼レ...
篠田 正人
8月 4, 2020 at 13:25
新しい植物育成用ヒーターを開発しております。
早速レンズヒーターを購入しました。温度調整コントローラーは3段階で電流を間付けで流すタイプで
大変参考になりました。送り先を連絡頂ければ開発中のヒーターをサンプルで送ります。
USBアダプターで1W未満で加温します。(今秋市場投入予定。)
mofmof7
8月 4, 2020 at 21:54
コメントありがとうございます。
直接メールにてご返信させていただきました。
高橋
2月 25, 2023 at 08:13
突然メールすみません。
植物ヒーター開発できましたか?
興味があるので商品名教えていただけませんか?
よろしくお願いします。
mofmof7
2月 25, 2023 at 11:16
特に開発の予定はありません。
現状カメラレンズヒーターで十分に代用できております。