8月
11, 2018
【全3回】オペルクリカリア・パキプス未発根株の購入ポイント『予備知識編』1/3
コーデックスの中でも特に人気の高い
オペルクリカリア・パキプス (Operculicarya pachypus)。
『パキプスの発根済の株は高くて買えない』
『未発根株になると枯れるリスクがあるので手が出ません』
と、過去に購入を躊躇された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この度私事になりますが
先日パキプスの未発根株をあまり深く考えずに購入しました。
園芸ド素人はいささか楽観主義で
怖いもの知らずのようです。
購入した際のブログ記事はこちら↓
結果的には運も味方してか、
その後一週間とかからずに葉が芽吹きはじめ、
約一ヶ月後には鉢底から発根を確認することもできました。
たとえ未発根株であっても
購入前に見極めるべきポイントを押さえ、
適切な発根管理を続ければ生きる可能性は十分あると、
今回の人柱経験で分かりました。
今回の経験を踏まえ、
「オペルクリカリア・パキプス未発根株の購入ポイント」と題し、
全3回に渡って投稿する予定です。
まだまだ拙い知識ではございますが
購入する際の一助となりましたら幸いです。
【全3回】オペルクリカリア・パキプス未発根株の購入ポイント
それでは早速ですが第一回目。
本題の購入目安へいく前に、
パキプスの特徴や市場価格など
基本情報をおさらい致します。
コーデックスの王様とも称される由縁
屈強な幹肌に幾何学的な枝ぶり、
そして可愛らしい艶のある緑葉。
男性的な無骨な側面と
女性的で柔和な側面を併せ持つアーティスティックな樹形。
おまけに小さな花まで咲かせるともなれば
人気が出て当然なのかもしれません。
その風格から盆栽として楽しむ愛好家も多いようです。
近年は伐採が進み、
ワシントン条約(※国際取引の規制)に抵触するほど希少性が増しています。
■参考リンク:ワシントン条約の対象種一覧
http://www.trafficj.org/aboutcites/appendix_plants.pdf
因みに、パキプスは雄雌異株の植物です。
雄雌の見分け方は「花の形」で判別するのが一般的で、
未発根時に雄雌を判別するのはほぼ不可能のようです。
パキプスの雌花・雄花
♂雄花↓
♀雌花↓
- 参考リンク①「野山の草花・木々の花植物検索図鑑 | オペルクリカリア・パキプス」
- http://momo1949.3zoku.com/cgi/plantsdb/start.cgi?m=DetailViewer&record_id=6312
- 参考リンク②「isla del pescado – Operculicarya pachypus-オペルクリカリア・パキプス」
- http://isladelpescado.com/item/succulents/caudex/operculicarya_pachypus.html
オペルクリカリア・パキプスの市場価格
(photo by GREGORIUZ
)
近年の塊根植物ブームに伴い、
パキプスの相場は高騰しています。
大きさや樹形にもよりますが、
塊根幅10cm前後の未発根株で10万前後、
同様に発根済の株で15万前後か
それ以上は覚悟する必要があるでしょう。
丸みを帯びた良型で20cmオーバーの塊根ともなれば
40〜100万超えも想定されます。
特に雌株は流通量がさらに少なく、
雄株の約5〜10倍の相場が見込まれるそうです。
未発根(みはっこん)株について
(photo by GREGORIUZ
)
マダガスカルの現地で刈り取られたパキプス(現地球)は、
出国時の検疫により「抜き苗(ベアルート株)」の状態で輸送されます。
植物に付着した現地の土をきれいに洗浄する必要があるためです。
日本へ到着するまでの間、
著しい水不足の影響で枝葉は枯れてしまいます。
俗に言う未発根株とは、
この瀕死状態の植物を指します。
到着後、植物を蘇生させる(発根させる)には、
たっぷりの水やりは兎も角として、
薬品を使った発根処置や徹底した温度管理をする必要が出てきます。
パキプスの現地球が生き残る確率は、
輸入全体数の10〜20%だとも言われます。
購入後に枯死したという声も多いようです。
■参考:「サボテンオークション日本」ホームページより
(スクリーンショット引用)
↑生き残りは、1070本中、57本・・・
園芸初心者の方は、
予算が許すかぎり極力「発根済」の植物を購入するほうが無難です。
今回はここまで。
次回、第2回目では、
パキプス未発根株の購入目安をまとめていく予定です。
(続く)
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