発芽難易度 2.5点 冬型塊根植物(コーデックス)の中でも人気が高い南ア原産の『オトンナ・フルカタ』Othonna furcata。今回は、その実生(種まき)方法について、実際に発芽率の良かった手順を解説します。 目次1 1. 発芽処理(低温湿潤処理)2 2. 発芽目安期間3 3. 播種用土のブレンド3.1 根張りを重視した「3層構造」4 4. 播種(種まき)の手順4.1 光の管理について5 5. 発芽後の管理・まとめ1. 発芽処理(低温湿潤処理) 冷蔵庫で冬の環境を再現する オトンナ、チレコドン、ケープバルブなどの冬型植物は、気温が下がり雨が降る季節に発芽スイッチが入ります。そのため、播種前に冷蔵庫内で “低温湿潤処理” を行い、擬似的に冬を感じさせる方法がおすすめです。 低温湿潤処理（ていおんしつじゅんしょり）とは、冷蔵庫などで「寒くて湿った状態」を作り、種子に「冬が来た（雨季が来た）」と勘違いさせて発芽スイッチを入れるテクニック。チャック付きのポリ袋にキッチンペーパー等で包んだ種子を入れ、霧吹きで湿らせてから冷蔵庫(野菜室などの暗所)で数日〜1週間ほど保管します。 または、気密性の高い蓋付きの瓶の中に保湿力のある柔らかいコットンパフを敷き、その上に浸水後の種子を置く方法でもOKです。 種子の上から湿らせたペーパーで覆い、湿度を保つ 水に浸す際、メネデールなどの活力剤を規定倍率で薄めて使用すると発芽エネルギーの補助になります。 種蒔き時期は12月頃、最低気温が一桁、最高気温が15〜20度が目安です。温度が高いと途中で成長が止まります。メネデール 500ml1,064円(11/28 18:34時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載していますうるふかコットンパフ 100枚178円(11/28 18:34時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています2. 発芽目安期間 種子の成熟具合や管理温度・湿度、薬剤の希釈率など、環境によって発芽までの日数は左右されます。 早ければ2〜3日で根動きが見られることもあります。 3. 播種用土のブレンド 1層目:根が潜りやすい柔らかな表土 根張りを重視した「3層構造」 フルカタ、ロバタ、アルブスクラなど「灌木系オトンナ」の実生苗は、初期の根張りが弱く、用土が硬すぎると根が潜れずに立ち枯れしてしまうことがあります。 そのため、用土を3層構造にして根の定着を促しています。 【1層目:表土】 根をスムーズに潜り込ませるため、保湿性が高く柔らかな層を作ります。市販の「種まき用土」や、微粉相当の赤玉土・パーライト・バーミキュライト・ベラボン・くんたん等を混ぜ込み、「軽め・柔らかめ」を意識してふわっと配合するのがコツです。 【2層目:中間層】 細粒ベースの赤玉土、軽石、ベラボン、くんたん等を使用。ここではゼオライト(根腐れ防止・保肥力向上)を混入させ、発根後の健全な育成を図ります。 2層目:細粒相当の中間層 【3層目:最下層】 鉢底に近いエリアは水はけを最優先します。有機肥料を含まないゼオライト多めの小粒ベースの配合土を使用し、清潔な環境を保ちます。ご参考まで。 サカタのタネ かんたんタネまき・さし芽の土 ジフィーミックス 4L732円(11/27 23:18時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています柴田園芸刃物 ガーデンゼオライト 細粒 500gAmazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載していますフジック あく抜きベラボン 4L Sサイズ598円(11/27 22:31時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています4. 播種(種まき)の手順 覆土はせず、保湿を徹底する 発芽して根が出始めた種子を、用土の表面に置きます。根の先端部分だけをピンセット等で僅かに用土へ挿す、または土のくぼみに据え置く程度にし、上から土を被せる(覆土)はしません。 根が自力で土に潜るまでは、ケースを密封して湿度100%近くを保ちます。少なくとも双葉がしっかりと展開するまでは、腰水(鉢底を水に浸す管理法)を行い、蓋やラップをして乾燥を防ぐことが重要です。 腰水（こしみず）とは、トレーなどに水を張り、鉢を置いて底穴から水を吸わせる給水方法。実生初期の水切れ防止に必須。 実生は高湿度環境が続くため「カビ」が大敵です。「種子を撒く前にベンレートやオーソサイドの希釈液に浸す」、または「腰水に少量の殺菌剤を混ぜる」といったカビ対策がおすすめです。育苗ポット12穴 育苗トレイ 育苗箱 種まきハウス1,988円(11/28 18:34時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています光の管理について オトンナが厳密に「好光性種子(光がないと発芽しない)」かは定かではありませんが、種子全体を埋めてしまうと、土から顔を出す体力が持たずに絶命するケースが多々見られました。やはり地表蒔きが安全です。 播種から5日後の様子 生まれたばかりの幼苗は、まだ強い光には耐えられません(かといって暗すぎると徒長します)。最初は直射日光を避け、「明るい日陰」や「控えめのLED光」で管理し、徐々に光に慣らしていきます。 徒長（とちょう）: 光不足や水やり過多で、植物がひょろひょろと弱々しく伸びてしまう状態。5. 発芽後の管理・まとめ しっかり双葉が展開し、本葉が見え始める頃になったら、密封していた蓋を外して徐々に光量を上げていきます。LEDライトを使用する場合、距離を近づけすぎると「葉焼け」を起こすので注意してください。 強光に慣らせば、ぷっくりとした肉厚の姿に育ちます 焦らずじっくり育てれば、オトンナ特有の魅力的な樹形に育ってくれます。少しでも参考になりましたら幸いです。 【種子】オトンナ・インターメディア 3s Othonna intermedia3,100円(11/28 18:34時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています日本花キ流通 多肉植物 caオトンナ ユーフォルビオイデス 多肉植物 コーデックス 9cmポット2,178円(11/28 18:34時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載していますGREENSINDOOR LED植物育成ライト UV/IR LED 600W相当Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載していますRelated Postsペラルゴニウム・クリズミフォリュウム(山伏天狗)の播種ノウハウ Pelargonium crithmifolium冬型塊根植物ペラルゴニウム・クリズミフォリウム(山伏天狗)の…チレコドン・ペアルソニー(白象)の播種ノウハウ Tylecodon pearsonii冬型塊根植物チレコドン・ペアルソニー(白象)の実生ガイド。粉…ペラルゴニウム・トリステの播種ノウハウ Pelargonium tristeペラルゴニウム・トリステの種子を低温湿潤処理＆腰水管理で安定…記事が良かったら ↓ ポチッと
オトンナ・フルカタの播種ノウハウ Othonna furcata
発芽難易度
冬型塊根植物(コーデックス)の中でも人気が高い南ア原産の『オトンナ・フルカタ』Othonna furcata。
今回は、その実生(種まき)方法について、実際に発芽率の良かった手順を解説します。
目次
1. 発芽処理(低温湿潤処理)
オトンナ、チレコドン、ケープバルブなどの冬型植物は、気温が下がり雨が降る季節に発芽スイッチが入ります。
そのため、播種前に冷蔵庫内で “低温湿潤処理” を行い、擬似的に冬を感じさせる方法がおすすめです。
チャック付きのポリ袋にキッチンペーパー等で包んだ種子を入れ、
霧吹きで湿らせてから冷蔵庫(野菜室などの暗所)で数日〜1週間ほど保管します。
または、気密性の高い蓋付きの瓶の中に保湿力のある柔らかいコットンパフを敷き、
その上に浸水後の種子を置く方法でもOKです。
水に浸す際、メネデールなどの活力剤を規定倍率で薄めて使用すると発芽エネルギーの補助になります。
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2. 発芽目安期間
種子の成熟具合や管理温度・湿度、薬剤の希釈率など、
環境によって発芽までの日数は左右されます。
早ければ2〜3日で根動きが見られることもあります。
3. 播種用土のブレンド
根張りを重視した「3層構造」
フルカタ、ロバタ、アルブスクラなど「灌木系オトンナ」の実生苗は、
初期の根張りが弱く、用土が硬すぎると根が潜れずに立ち枯れしてしまうことがあります。
そのため、用土を3層構造にして根の定着を促しています。
【1層目:表土】
根をスムーズに潜り込ませるため、保湿性が高く柔らかな層を作ります。
市販の「種まき用土」や、微粉相当の赤玉土・パーライト・バーミキュライト・ベラボン・くんたん等を混ぜ込み、
「軽め・柔らかめ」を意識してふわっと配合するのがコツです。
【2層目:中間層】
細粒ベースの赤玉土、軽石、ベラボン、くんたん等を使用。
ここではゼオライト(根腐れ防止・保肥力向上)を混入させ、発根後の健全な育成を図ります。
【3層目:最下層】
鉢底に近いエリアは水はけを最優先します。
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ご参考まで。
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4. 播種(種まき)の手順
発芽して根が出始めた種子を、用土の表面に置きます。
根の先端部分だけをピンセット等で僅かに用土へ挿す、または土のくぼみに据え置く程度にし、上から土を被せる(覆土)はしません。
根が自力で土に潜るまでは、ケースを密封して湿度100%近くを保ちます。
少なくとも双葉がしっかりと展開するまでは、腰水(鉢底を水に浸す管理法)を行い、蓋やラップをして乾燥を防ぐことが重要です。
育苗ポット12穴 育苗トレイ 育苗箱 種まきハウス
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光の管理について
オトンナが厳密に「好光性種子(光がないと発芽しない)」かは定かではありませんが、種子全体を埋めてしまうと、土から顔を出す体力が持たずに絶命するケースが多々見られました。やはり地表蒔きが安全です。
生まれたばかりの幼苗は、まだ強い光には耐えられません(かといって暗すぎると徒長します)。
最初は直射日光を避け、「明るい日陰」や「控えめのLED光」で管理し、徐々に光に慣らしていきます。
5. 発芽後の管理・まとめ
しっかり双葉が展開し、本葉が見え始める頃になったら、密封していた蓋を外して徐々に光量を上げていきます。
LEDライトを使用する場合、距離を近づけすぎると「葉焼け」を起こすので注意してください。
焦らずじっくり育てれば、オトンナ特有の魅力的な樹形に育ってくれます。
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